季刊フラーレン 平成14年4月号 5.研究室紹介(第38回)より

東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻
丸山研究室

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Updated: '02/5/3


目 次

1.研究室の概要
2.研究テーマ
3.研究成果の紹介
3−1.アルコール・触媒CVD法による単層ナノチューブの生成
3−2.FT-ICRによるナノチューブ前駆体クラスターの質量分析
3−3.ナノチューブ生成過程の分子動力学
3−4.ナノチューブによる水素吸蔵の分子動力学
3−5.ナノチューブの熱伝導に関する分子動力学
3−6.その他の分子動力学シミュレーション
参考文献
図1 研究室メンバー(平成14年4月).
図2 レーザーオーブンSWNT生成装置
図3 アルコール・CCVD装置
図4 アルコール・CCVD法によって生成したSWNTのTEM像
図5 ラマン分光装置
図6 SWNTの共鳴ラマン散乱(励起波長488nm)
図7 環境制御型SPM装置
図8 精製SWNTバンドルのAFM像
図9 レーザー蒸発クラスターソース直接導入FT-ICR質量分析装置
図10 Ni/Co添加黒鉛材料から負イオンクラスター
図11 Ni付きおよびCo付き炭素クラスターのNOとの化学反応
図12 分子動力学法によるSWNT前駆体クラスターのシミュレーション
図13 分子動力学法により得られた不完全ナノチューブ
図14 SWNTによる水素吸蔵の分子動力学法シミュレーション
図15 SWNTの熱伝導率のチューブ長さ依存性
図16 分子動力学法から計算されたフォノン分散関係
図17 ピーポットの形成
図18 SWNT中の水クラスターの挙動

1.研究室の概要

 東京都文京区にある本郷キャンパスの工学系研究科機械工学専攻でフラーレンやナノチューブの研究を進めている[1].最近のナノテクノロジーブームのおかげで, ナノチューブを機械工学専攻での研究対象としても特に奇異に思われることは少なくなったが,ちょっと前までは, どうして機械工学専攻でフラーレン・ナノチューブなのかという質問をよくいただいた.このあたりの事情は本誌の第16回研究室紹介[2]に詳細に述べているので, 今回はライス大学のSmalley教授のところに長期出張に出かけたことがきっかけであるとの記述にとどめたく思う.機械工学専攻では庄司・丸山研究室として, 庄司正弘教授の講座に所属している.平成10年度から平成12年度までは工学部附属総合試験所に移動して機械方面研究室(丸山研究室)を名乗り, 平成13年度からは再び機械工学専攻に戻っている.平成14年度のメンバーは図1の通りである(4年生はまだ配属されてない). 本年の研究テーマはほぼ全て単層ナノチューブ関連であり,意図的に学生の半分は実験的なテーマ,半分は分子動力学法のテーマとしている.


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図1 研究室メンバー(平成14年4月). 左から渡辺美和子(秘書),木村達人(PD),井上修平(D3),千足昇平(M2),澁田靖(D2), 丸山茂夫(助教授),手島一憲(M2),小川哲(M1),宮内雄平(M1),谷口祐規(M1).写っていないが井上満(助手).


2.研究テーマ

フラーレン・ナノチューブ関係の研究は,1989年にRice大学Smalleyグループに長期出張してからスタートしている.最初はフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(Fourier Transform Ion Cyclotron Resonance, FT-ICR)質量分析装置を用いたクラスターの研究であり[3,4],当時はフラーレンもクラスターと呼ばれていたが,Kratschmer-Huffmanのフラーレン大量合成の直後から,フラーレン生成に取りかかった[5].帰国後は,比較的簡単に実験が可能なアーク放電装置を用いたフラーレン生成を行うとともに,分子動力学法を用いたシミュレーションによって実験と比較するような研究を試みた.ナノチューブに関しても,1992年の夏に再びSmalleyグループを訪ねたときに,真空容器内に数Torrの炭化水素を満たし,炭素繊維先端にレーザー光を照射してナノチューブを成長させようとする実験装置を設計している.そのときは,SEMもTEMもなく電界放出からナノチューブ生成を検証しようとした無謀な実験であったが,今であれば,金属触媒と炭素源を工夫すれば,同じ装置で単層ナノチューブを生成させられるように思う.Smalleyグループよりは相当に遅れているが,結果的に,クラスター,フラーレン,金属内包フラーレン,単層ナノチューブと研究対象の原子数を着実に増やしてきて,一貫してこれらを生成することと生成メカニズムにこだわってきた[6-10].大まかには,アーク放電装置,レーザーオーブン装置,触媒CVD装置などで実際に生成する実験,レーザー蒸発クラスター源付きFT-ICR質量分析装置を用いて前駆体クラスターを探る実験,分子動力学法シミュレーションによる予測である.最近では,ナノチューブの応用と関係して,水素吸蔵特性や熱伝導特性などの分子動力学法シミュレーションも行っている.水素吸蔵や熱伝導などの研究テーマとなると,機械工学専攻でナノチューブの研究をしても怪しまれなくなったどころか,機械系の学会においても相当数のナノチューブ関係の研究が発表されるようになっており,驚きを隠せないでいる.


3.研究成果の紹介

3−1.アルコール・触媒CVD法による単層ナノチューブの生成[11]

単層カーボンナノチューブ(SWNT)の生成メカニズムと関連して,最も純粋な試料の生成が可能なレーザーオーブン装置(図2)でSWNTの生成を行ってきた.図2の装置は総合試験所で河野正道助手(現:産総研)が中心となり,都立大学阿知波研の装置を参考にして設計したものである.その後,たとえばHiPcoなどの触媒CVD(CCVD)で相当に高純度の単層ナノチューブが生成されるようになっていることもあり,昨年度からレーザーオーブン装置をほぼそのまま触媒CVD装置として使っている(図3).


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図2 レーザーオーブンSWNT生成装置


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図3 アルコール・CCVD装置


C60を炭素源としたCCVDによるナノチューブ生成を試みていて,偶然,エタノールを炭素源として極めて高純度の単層ナノチューブの生成が可能であることがわかった[11].触媒に関しては名古屋大学篠原研の方法によって,Y型のゼオライトにFe/Coを担持したものとし,電気炉にセットして,アルゴン流中で昇温後,いったん真空にして,アルコールを流す.炭化水素の場合と異なり,極めて純粋な単層ナノチューブが生成される.電気炉温度を800℃とし,エタノールを用いて10分間反応させた直後のTEM像を図4に示す.アモルファスカーボン,MWNT, 炭素ナノ粒子,金属粒子などが全く見あたらずに,SWNTの束のみが観察される.また,アルコールCCVDによって,炭化水素を炭素源とするよりも低温でのSWNT合成が可能であり,メタノールを用いて550℃においても相当量のSWNTが合成できている[11].


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図4 アルコール・CCVD法によって生成したSWNTのTEM像


SWNTの評価にはラマン分光が必須となっており,図5のマクロラマン分光装置をSWNT生成装置のとなりに自作している.これも河野正道助手を中心に都立大の片浦先生のアドバイスを頂きながら立ち上げたものである.アルゴンイオンレーザー(波長488nm)を励起光とし,プラズマラインフィルターを通過後に試料に集光し,後方散乱のラマン光はノッチフィルターで励起光をカットして30cmのシングルモノクロメータ(Chromex 500is2-0419)に入れ,CCD(Andor DV401-FI)で検出している.


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図5 ラマン分光装置


図6にラマン分光の測定例をエタノール・CCVD法で生成した試料とレーザーオーブン法によって生成した試料を比較して示す.1590cm-1付近のグラファイト由来のGバンド,1350cm-1付近に見られるプロードなDバンド,SWNTに特徴的な150〜300 cm-1付近のブリージングモード(RBM)のいずれからもレーザーオーブン法で生成した試料は典型的なSWNTの特徴を示している.一方,CCVDで生成されるSWNTは,より細く広めの直径分布を有し,488nmの励起光を用いた場合には,細い金属SWNT(240〜300cm-1)が観察されている.このため,金属SWNTの束に特有のBreit-Wigner-Fano (BWF)と呼ばれるピークも観察されている.励起光のエネルギーに対応したKatauraプロットによる検討結果を研究室のHPにのせている[12].


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図6 SWNTの共鳴ラマン散乱(励起波長488nm)


工学部総合試験所のTEMおよび機械工学専攻中尾研究室のSEMを借用した電顕観察とともに,図7の環境制御型のAFM/STMによってナノチューブの観察とともにハンドリングも目指している.図8は,レーザーオーブン法で生成したSWNTをH2O2水溶液で生成した後に超音波分散させてシリコン(001)面にのせて測定したAFMイメージである.強力な超音波分散によっても,からまったバンドルをほどくのは容易でない.


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図7 環境制御型SPM装置




図8 精製SWNTバンドルのAFM像


3−2.FT-ICRによるナノチューブ前駆体クラスターの質量分析

レーザーオーブン法やアルコールCCVD法によるSWNT生成実験によって,SWNTの生成メカニズムに迫れる部分もあるが,基本的には結果しか観察できず, 反応の途中段階については,想像するしかない.そこで,かつてフラーレンや金属内包フラーレン[13,14]の生成機構を追いかけたFT-ICR装置によって ナノチューブ前駆体クラスターを捕らえるべく実験を行っている[15-17].FT-ICR実験装置の基本設計はSmalleyグループ[4]のものとほとんどかわらず, レーザー蒸発と超音速膨張によって様々な固体材料のクラスターを生成し,クラスターイオンを6テスラの超電導磁石の中に数分間に渡って閉じこめ, 極めて高分解能の質量分析とトラップをしている間の化学反応やレーザー照射実験ができる.


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図9 レーザー蒸発クラスターソース直接導入FT-ICR質量分析装置


図10は,Ni/Coをそれぞれ0.6%添加した黒鉛材料をレーザー蒸発させてFT-ICRで測定した質量スペクトルを炭素や金属の天然同位体分布から再現したスペクトルと比較したものである.負イオンの質量分析によってC60程度の大きさの炭素クラスターにNiやCoが1〜3個加わったクラスターの存在がわかる.特に図10で注目すべきは,同位体を分けて考えればCやHの質量は原子質量単位(amu)でおおよそ整数となるが,NiやCoなどでは,相対論効果で質量が0.03amuほどずれる.FT-ICRでは,図10に示すように,この差が測定できるために,例えばちょうど720amuのシグナルが,12C60のものと金属原子を1個含むシグナルとに分裂している.
FT-ICRによる化学反応実験の例を図11に示す.(a)が反応前の質量スペクトル,(b)が2秒の反応後,(c)が10秒の反応後である.この場合は,Ni, Coの付いた炭素クラスターの割合が少なく解釈が簡単ではないが,Ni, Coのいずれかを含む炭素クラスターが極めて定圧(10-7 Torr)のNOとの衝突によって反応しており,La, Y, Scなどの金属内包型フラーレンを作る金属で行った同様の実験と極めて対照的な結果となる.


図10 Ni/Co添加黒鉛材料から負イオンクラスター




図11 Ni付きおよびCo付き炭素クラスターのNOとの化学反応


3−3.ナノチューブ生成過程の分子動力学

フラーレンC60がサッカーボール型の幾何学形状を自発的にとるということのメカニズムを探ることから始めて, 分子動力学法によって,いったんは蒸発してランダムに配置した炭素原子がフラーレン形状をとるまでの過程を一応は再現し, フラーレン生成モデルを検討してきた[18,19].その後,金属と炭素クラスターのポテンシャルなども作成し, 金属内包フラーレンの生成過程なども検討してきた[20-22]. アーク放電法やレーザーオーブン法での実験条件から金属内包フラーレンを生成していた条件で, 金属の種類を変えればSWNTが生成されることになる.同じように, 金属原子としてNiを選びこれと炭素原子とがどの様なクラスターを経て ナノチューブに成長するのかを分子動力学法シミュレーションで検討している[23,24]. Ni原子を1 at. %程度含む場合に炭素クラスターがどの様に成長するかを計算したのが図12である. これまでの計算と同様にいったんは全て蒸気になったと仮定している. 炭素数が50-100程度のクラスターまで成長した段階で観察されるクラスターは, 炭素原子ができるだけケージ状になろうとしているが,1個か2個のNi原子が妨害しているというものであった. 金属原子の数から確率的に当然の比率でのクラスターであり,ある程度アニーリングする時間があるとすると, このサイズでのクラスターの形状としては極めて自然であると考えられ, シミュレーションをする必要があったかさえ疑問に残る. さらに,FT-ICRによる実験の結果とも良く符合する.


[Click for Annealing Animation of NiC60 Cluster]

図12 分子動力学法によるSWNT前駆体クラスターのシミュレーション


さて,その後のこれらのクラスター同士の反応の進行をさらに分子動力学法で検討した結果が図13である. このシミュレーションにおいては,図12の場合よりもさらに大きな時間圧縮をしており, シミュレーション時間では図12から4.5ns後であるが,現実の時間スケールでは数msに対応すると予想される. このため,クラスター構造のアニーリングは全く追いついていないが,アスペクト比の大きい構造となり, 金属原子は,SWNTの胴体のように6員環のみで構成された部分は好まず両端などの不安定な部分に集まりだしている.


[Click for Animation of Growth Process]


図13 分子動力学法により得られた不完全ナノチューブ


3−4.ナノチューブによる水素吸蔵の分子動力学

ナノチューブが極めて高い水素吸蔵能をもつとの実験的報告に触発されて,様々な条件での水素吸蔵実験や分子シミュレーションによるメカニズム解明が 盛んに試みられている.一部の実験に関しては測定上の問題が示唆されるとともに,少なくとも物理吸着による理論によっては,常温での極めて 高い水素吸蔵は説明できない.特に原子レベルから構造の明らかなSWNTを中心に分子動力学法シミュレーションによって理論的な検討を行っている[25,26].
例として図14にカイラル指数(10,10)(直径約1.36 nm)の幾何学構造をもつ7本のSWNTの束に77K,10MPaで水素を吸着させた様子(図14(a))と そのときのポテンシャルエネルギー分布(図14(b)(c))を示す.計算手法としては,水素分子間,水素-炭素間,炭素原子間のポテンシャルをすべて Lennard-Jones(12-6)ポテンシャルで近似している.直径約1.36 nmの(10,10)ナノチューブの場合には,チューブ内部に比較的強い吸着層が1層できるとともに, チューブ間のインタースティシャルサイトで比較的ポテンシャルが低くなる. 残念ながら,常温におけるSWNTの水素吸蔵量はさほど大きくないが[26],炭素ナノチューブを用いることによって従来にない興味深い吸着の物理が展開されつつ あることは確かである.



[Click for Animation of Phase Transformation]


図14 SWNTによる水素吸蔵の分子動力学法シミュレーション[26]


3−5.ナノチューブの熱伝導に関する分子動力学[27-29]

SWNTsのチューブ軸方向の熱伝導率は,ダイヤモンドを越えて物質の中で最大となると予想され,極めて特異な熱デバイス開発の可能性を秘めている.さらに,分子動力学法によって固体内の熱伝導や界面熱抵抗をフォノンの伝搬と関連して解析する第一段階のモデル材料としても一次元的幾何学形状のSWNTは最適である.従来のナノチューブに関する分子動力学法計算は,軸方向の周期境界条件を仮定し,非平衡分子動力学法(NEMD)やGreen-Kuboの公式に基づく平衡分子動力学法によって無限長における熱伝導率を外挿するような計算であり,その外挿には疑問の残る部分もある.そこで,境界条件のはっきりとした有限長のSWNTの熱伝導について,Brennerポテンシャルを用いた分子動力学法シミュレーションを行っている[27-29].ナノチューブ両端の温度をLangevin法で制御し,その制御量と温度分布より熱伝導率を求めた.図15に示すように,(5,5), (8,8)と(10,10)の300Kにおける熱伝導率は,長さ404nmまでの結果ではチューブ長さの0.1〜0.3乗に比例して増大し発散する結果となった.当然,ナノチューブの長さLがある程度以上となれば一定の熱伝導率に収束すると考えられるが,ナノチューブを用いたデバイスなどでは数100nm程度の長さでの利用が考えられ,有限長における熱伝導特性は極めて重要である.このような熱伝導率の発散は,1次元系のモデル計算で熱伝導率が長さの0.35乗や2/5乗に比例して発散すると議論されているものと類似で,ナノチューブの1次元性が強く現れているものと解釈できる[28,29].
さらに,分子動力学法シミュレーションとフォノンを用いた解析とをつなげる第一歩として,速度のパワースペクトルによるフォノンの状態密度,および分散関係を求めるために各原子の平均位置rからのずれr'を実空間z方向の座標と時間の関数として,2次元時空間Fourier変換を求めた.図16に(5,5) SWNTについて長さ101nmの場合の結果を示す.図16(a), (b), (c)はそれぞれ半径方向r, 接線方向 ,軸方向zの変位成分から求めた分散関係とそれぞれの方向の速度成分から求めた状態密度である.図16(d)は,ダイナミカルマトリクスを解いて求めた理論的な結果である.このように,分子動力学法による直接的なフォノンの表現が得られると,欠陥,バンドル,同位体効果などのある場合のラマン分光結果などの解釈にもつなげられる.


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図15 SWNTの熱伝導率のチューブ長さ依存性



図16 分子動力学法から計算されたフォノン分散関係


3−6.その他の分子動力学シミュレーション

SWNT内外への水素などの物理吸着,ピーポッドの形成(図17),ピーポッド内のフラーレンの構造,ピーポットからの2層ナノチューブ生成,SWNTバンドルなどの種々の分子動力学法シミュレーションを行っている.例えば,ピーポッドからの2層ナノチューブ(DWNTs)生成過程の分子動力学法シミュレートでは,適切な温度条件により単層ナノチューブに内包された5つのC60が,ポリマー,ピーナッツ型,楕円構造から2層ナノチューブへと変化する過程を再現している.
また,図18は,SWNTの中に水のクラスターが入った場合の分子動力学法シミュレーションのスナップショットである.例えば,固体面上での気体分子の凝縮過程[30]や白金表面に接する水液滴の構造[31]などを分子動力学法シミュレーションによって検討しており,固体面のぬれや接触角などに関する分子レベルからの理解を進めている.SWNTのチューブ内の狭い空間でのぬれ,相変化,流動,熱流動などは,理論的に極めて興味深い.もちろん,これらの検討は,吸着の分野などでミクロ孔内現象として理論的な検討がされているが,幾何学構造が均一に決まるSWNTの場合には理論と直接に対応する実験も非現実的ではない点が特色である.


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図17 ピーポットの形成



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図18 SWNT中の水クラスターの挙動


参考文献

(1) http://www.photon.t.u-tokyo.ac.jp/~maruyama/nanotube-j.html.
(2) 丸山茂夫, 季刊フラーレン, (1996), vol. 4, no. 4, pp. 106-113.
(3) S. Maruyama, M. Y. Lee, R. E. Haufler, Y. Chai and R. E. Smalley, Z. Phys. D, (1991), vol. 19, pp. 409-412.
(4) S. Maruyama, L. R. Anderson and R. E. Smalley, Rev. Sci. Instrum., (1990), vol. 61, no. 12, pp. 3686-3693.
(5) R. E. Haufler, Y. Chai, L. P. F. Chibante, J. Conceicao, C. Jin, L.-S.Wang, S. Maruyama and R. E. Smalley, Mat. Res. Soc. Symp. Proc., (1991), vol. 206, pp. 627-638.
(6) 丸山茂夫, 化学工学, (1992), vol. 56, no. 6, pp. 422-423.
(7) 丸山茂夫, 化学, (1997), vol. 52, no. 5, pp. 20-22.
(8) 丸山茂夫, 季刊化学総説(炭素第三の同素体フラーレンの化学), (1999), vol. 43, pp. 10-19.
(9) 丸山茂夫, 放射線化学, (2002), vol. 73, pp. 22-27.
(10) 丸山茂夫, カーボンナノチューブ, 情報機構,(2002), pp. 103- 119.
(11) S. Maruyama, R. Kojima, Y. Miyauchi, S. Chiashi and M. Kohno, Chem. Phys. Lett., (2002), submitted.
(12) http://www.photon.t.u-tokyo.ac.jp/~maruyama/kataura/kataura.html.
(13) S. Maruyama, M. Kohno and S. Inoue, Fullerene 2000: Chemistry and Physics of Fullerenes and Carbon Nanomaterials, (2000), pp. 309-319.
(14) S. Maruyama, Y. Yamaguchi, M. Kohno and T. Yoshida, Fullerene Sci. Tech., (1999), vol. 7, no. 4, pp. 621-639.
(15) S. Maruyama, Perspectives of Fullerene Nanotechnology, (2002), pp. 131-142.
(16) M. Kohno, S. Inoue, R. Kojima, S. Chiashi and S. Maruyama, Physica B, (2002), in press.
(17) M. Kohno, S. Inoue, A. Yabe and S. Maruyama, Micro. Themophys. Eng., (2002), submitted.
(18) Y. Yamaguchi and S. Maruyama, Chem. Phys. Lett., (1998), vol. 286, pp. 336-342.
(19) S. Maruyama and Y. Yamaguchi, Chem. Phys. Lett., (1998), vol. 286, pp. 343-349.
(20) Y. Yamaguchi and S. Maruyama, Euro. Phys. J. D, (1999), vol. 9, pp. 385-388.
(21) Y. Yamaguchi and S. Maruyama, Fullerenes: Recent Advances in the Chemistry and Physics of Fullerenes and Related Materials, (1999), vol. 7, pp. 640-646.
(22) S. Maruyama, Endofullerenes: A New Family of Carbon Clusters, (2002), in press.
(23) S. Maruyama and Y. Shibuta, Molecular Crystals and Liquid Crystals, (2002), in press.
(24) Y. Shibuta and S. Maruyama, Physica B, (2002), in press.
(25) S. Maruyama and T. Kimura, Proc. ASME Heat Transfer Division 2000, Orlando, (2000), vol. 2, pp. 405-409.
(26) 丸山茂夫, 応用物理, (2002), vol. 71, no. 3, pp. 323-326.
(27) S. Maruyama, S.-H. Choi, Therm. Sci. Eng., (2001), vol. 9, no. 3, pp. 17-24.
(28) S. Maruyama, Physica B, (2002), in press.
(29) S. Maruyama, Micro. Themophys. Eng., (2002), submitted.
(30) T. Kimura and S. Maruyama, Micro. Themophys. Eng., (2002), vol. 6, no. 1, pp. 3-13.
(31) T. Kimura and S. Maruyama, Proc. 12th Int. Heat Transfer Conf., (2002), in press.



連絡先: maruyama [at] photon.t.u-tokyo.ac.jp