東京テクノ・フォーラム21 ゴールド・メダル賞3氏が成果紹介 22日大阪で

2004.09.01 大阪朝刊 32頁 (全924字) 


 ◆22日に大阪講演会  科学技術の最新の成果を紹介する「東京テクノ・フォーラム21」大阪講演会〈生命と情報〉が二十二日午後一時半から、大阪市北区の読売大阪ビルで開かれる。  講演会は、「東京テクノ・フォーラム21」(代表=滝鼻卓雄・読売新聞東京本社社長・編集主幹)が、創造的な成果をあげた気鋭の若手研究者に贈る〈ゴールド・メダル賞〉の本年度受賞者三人を招き、受賞記念として行われる(主催・同フォーラム、読売新聞大阪本社)。  講演者と演題は▽山中伸弥・奈良先端科学技術大学院大教授「万能細胞が孕(はら)む腫瘍(しゅよう)形成の克服」▽岡野栄之・慶応義塾大医学部教授「神経再生」▽丸山茂夫・東京大大学院工学系研究科助教授「アルコールからつくるカーボンナノチューブ」。  山中教授は、再生医療の主役とされ、万能細胞と呼ばれる胚(はい)性幹(ES)細胞で働く二つの遺伝子を発見した。様々な臓器や細胞に分化する能力の維持に欠かせない遺伝子と、無限に増殖するように信号を送る遺伝子。この二つをうまく制御すれば治療に必要な臓器や細胞を作ることができる。  損傷した神経組織は再生しないという常識を覆したのが岡野教授。神経細胞になる前の神経幹細胞が、脳の中央付近にあることを突き止めた。ヒト由来の神経幹細胞を増殖させてサルの損傷した脊髄(せきずい)に移植し機能の回復も確認。脊髄損傷や脳こうそくの治療法の開発につながると注目される。  丸山助教授は、次世代の新素材と期待される単層カーボンナノチューブを高純度で量産できる技術を開発した。炭素原子が網目状に並んだ微細な筒、カーボンナノチューブには原子層が一つの単層と複数の多層があり、単層の方が応用範囲が広い。従来の製法では不純物が多いなどの欠点があり、アルコールを使う独自の方法で克服した。  無料。はがきかファクス、電子メールで郵便番号、住所、氏名(複数参加は代表者名と人数)、電話番号を明記し、〒530・8551(住所不要)読売新聞大阪本社編集局科学部「テクノ・フォーラム講演会」係(ファクス06・6361・0521、メールアドレスはoykagaku@yomiuri.com)へ。十五日締め切り。問い合わせは電06・6366・1647。

読売新聞社