ナノチューブ、基板上に向きそろえ形成、東大、レーザー光源部品に有効

2004/ 08/ 26日経産業新聞p.7 451字

東京大学の丸山茂夫助教授らの研究グループは、代表的なナノテクノロジー(超微細技術)素材であるカーボンナノチューブ(筒状炭素分子)をカーペットのように基板の上に並べて形成することに成功した。ナノチューブの向きがそろっているため、レーザー光源用の部品や微小な電子回路素子などに応用するのに有効という。  研究グループは化学的気相成長法(CVD)を用いた。アルゴンガスに微量の水素を混ぜて合成するのを見直し、水素を混ぜないようにした。  できたナノチューブは長さが五マイクロ(マイクロは百万分の一)メートルで向きがそろっている。従来の製法では、長さが一マイクロメートルほどのナノチューブを形成するのが限度だったという。  ナノチューブは、特定の波長を吸収するなど光特性に優れていると考えられており、特定の波長の光を放つレーザー光源の部品などに利用する研究が進んでいる。ただこれまでは、東大グループが作ったようなナノチューブの向きがそろったものはないため、そもそも光特性を詳しく調べることが難しい状況にあるという。