1 第2回ナノテク企業調査から(1)素材研究者に視線。
2003/12/02 日経産業新聞 P.9 643字
ナノテクノロジー(超微細技術)関連で企業が最も注目する研究者は飯島澄男名城大学教授(NEC特別主席研究員)であることが日本経済新聞社が実施した「第二回ナノテクノロジー企業調査」で分かった。カーボンナノチューブ(筒状炭素分子)やフラーレン(球状炭素分子)の研究者など素材分野の研究者に関心が集まっていた。
調査では国内の注目研究者を三人挙げてもらった。最も票を集めた飯島教授はナノチューブの発見者として有名で、素材関連企業が注目している。遠藤守信信州大学教授(三位)や丸山茂夫東京大学助教授(十位)、中山喜萬大阪府立大学教授(十位)などナノチューブの研究者の注目度が高かった。
一票差の二位だった川合知二大阪大学教授は国のナノテク政策立案に関与するなど、幅広い業種で知名度が高かった。材料以外の研究分野では光デバイス関連の河田聡阪大教授(七位)や野田進京都大学教授(八位)も注目を集めた。
企業の研究者として注目されたのは、松下電器産業の山下一郎主幹研究員(二十一位)。たんぱく質の自己集積機能を利用したデバイスの開発に多くの企業が関心を寄せているようだ。
【表】ナノテク関連注目研究者ランキング
氏名 主な所属 主な研究
1 飯島澄男 名城大教授 カーボンナノチューブ
2 川合知二 大阪大教授 ナノバイオ
3 遠藤守信 信州大教授 カーボンナノファイバー
4 江刺正喜 東北大教授 微小電子機械(MEMS)
5 篠原久典 名古屋大教授 フラーレン