東大、垂直配向単層CNT膜に紫外光の偏光特性を確認

2005.05.10 日刊工業新聞 25頁 (全332字) 

  東京大学の丸山茂夫教授、村上陽一博士研究員らは単層カーボンナノチューブ(CNT)を垂直に立ててつくった膜が紫外光の偏光素子の性質を持つことを見出した。従来の偏光素子に比べ、大気中で約500度Cの高温にしても焼けない、集光後に冷やしやすいといった利点がある。リソグラフィーで使われている高エネルギー密度のエキシマレーザーの偏光素子などへの応用を見込んでいる。

この膜は石英基板と垂直方向に単層CNTが成長しており、膜の厚さは1マイクロ−20マイクロメートル程度の間で制御できる。膜を基板ごと傾けることで可視光、紫外光に対して優れた偏光特性を示し、特に波長280ナノメートルの紫外光のとき、光の選択的吸収が最も顕著だった。透過する光の明るさは膜の厚さに応じて変えられる。

日刊工業新聞社